カヤックスタート前の杉山(左端)
全34チームのエントリー。1日目青木湖にて8時30分過ぎ、カヤックでスタート。シーカヤック持参のチームがかなり多かった。Tac杉山はチーム受付後すぐにレンタルカヤックを吟味し始め、乗りやすそうな艇を選んでキープ。彼の意気込みが感じられた。
結局スピードで劣ってしまうのだが、レンタルのリバーカヤックではトップで1走杉山がゴール、2走田島にタッチ。
かつてのチームメイト動物さんと
田島はレース前、吐くほど緊張していたが、2年前の回りながら進んでいく悪夢を払拭し練習の成果を発揮し1チームに抜かれただけで3走村越にタッチ。村越も順位をキープしてマウンテンバイクオリエンテーリングセクションに入った。この時点で10位。
マウンテンバイクは約25キロ近く移動しながら1:25000の白黒地図に表記されたチェックポイント(コントロール)を進んでいく。チェックポイントにはオリエンテーリング用のフラッグがあり、通過証明としてパンチチェックをするのと多くのポイントで設置された地元に関するクイズに答えカードに記入していく。それに不正解すると15分のペナルティー時間が与えられる設定。ただのナビゲーションレースではなく『ゲーム』にすることでトップチームから初心者チームまでのハンディをなるべく少なくするようにするのが主催者の狙い。それにしても1問15分のペナルティは大きい。走っただけではつかない差だ。そのため村越は地元大町の書店に足を運び、地元に関するガイドブックを2冊も購入、対策を講じた。
カヤック;2走の田島から3走の村越へ
走村越がカヌーセクションを終了し、すぐに準備をしてスタート。田島はザックには水分補給のハイドレーションのみ。その他の食料等は村越に預けて荷物の重さを調整。3人の中で一番力のない田島の負担を少しでも下げようとした。さらに牽引はこのチームではなし。歩いて2人分押したほうが早いとの判断。バイクシューズも履かなかった。
MTBの下りがとにかくこわい田島
チェックポイント3までは集団で多くのチームがいたが、4で地図と実際の設置場所のずれているコントロールを無難に発見し、この時点でトップに立った。しかしこのポイントでは村越がオリエンティアの習性である『地図にしたがって正確に進むとコントロールが出てくるはず』というのをいかんなく発揮、正しい位置に進もうとする村越を杉山&田島で必死に大声で止めたたがどんどん一人で進んでしまった。そんな村越に『真も強情だなぁ。』。そんな杉山のつぶやきが印象的。その後はチームワークも良く順調に進んだ。『チームターザン』で伊豆アドを始め、N.ZのサザントラバースADまで出場した経験豊富な杉山を先頭に、体力を兼ね備えた村越、田島が続く。ナビゲーションは杉山、村越に任せ、このMTBセクションでは田島は必死に2人についていくのみ。時々村越がチームのペースを引っ張るために前に出る。
MTB用のコースマップ
後日掲載
中盤以降難しいナビゲーションをこなしトップ争いをしていたのは、同じくノースフェイスのスポンサードを受け、京大オリエンティアだった相川君をリーダーとする『EXTREAM CHAIN』。両チームともオリエンティアの集まり、なかなか差がつかないまま、フットオリエンテーリングセクションをするトランジットへ到着。
このトランジットでは『ミステリーステージ』が用意されていた。なんと『グルグルバット』。10回ばっとを軸にぐるぐる周り、目が回ったまま3人で手をつないで走ってゴールすること。。。杉山と村越は途中から数も数えられなくなり10回以上まわってしまいフラフラに。それでも最後は普通に走れてフィニッシュ。
いよいよオリエンテーリングセクション、約5キロ。スタートする頃、今回の優勝候補、ライバルである、原人&動物、安藤さんチームが現れた。原人&動物さんとは2年前、アドベンチャーレースって何?とよくわからず誘われるままにチームを組んだチームメイト(その時は準優勝)。
彼らさすがバイクセクションは強い。牽引しまくっているのかな?原人さんこと高梨さんと動物さんこと田中さんのナビゲーション能力は我々オリエンティアと全然変わらない。むしろこのような大雑把な地図だと彼らのほうが経験もあり有利だろう。
彼らがぐるぐるバッドをやっている間準備をしていざ出発。5キロ程度のオリエンテーリングならそんな大きな荷物はいらない。一番軽い水のみ入った田島のザックを村越が背負い、杉山、田島は地図とコンパスのみでスタート。田島はMTBで途中転倒し左の手のひらを打撲していた。グラブを取ってみると異常なほど腫れていて痛くて手を握れない。トランジットには氷がなく我慢してスタート。アイスパックを重くても持ってくれば良かった。。転んだ時は『やばい、手首折った?母が右手骨折なら私は左?いかんな。』ととっさに思ったらしい。
スコアオリエンテーリング用マップ
後日掲載
このオリエンテーリングセクションは基本はスコアオリエンテーリング。地図は1;2000の白黒。必須コントロールを4つとってくること、そしてその他のコントロールをとって来ればボーナスポイントとなって総合タイムから時間が引かれる(ただしクイズに不正解すると半減)。さらには1つ隠れコントロールがあるとのこと。
当然我々は全部獲得してくることにして回る順番を決めた。トランジットの役員には制限時間をきちんと確認した。1時間ではなくて15時までに帰ってくれば良い。
バイクから降りてjogペースで走る。違う筋肉を動かせて嬉しい。登りは全部歩き。つらい。それでも田島は『やっぱり一番オリエンテーリングが楽しいー、こんな白黒大雑把な地図でも面白い!』と言いながら、一番奥にあるボーナスポイントを次々ゲット。超順調。コースの回り方も完璧。超楽チン、あとはトランジット近くのコントロールを取ればおしまいさ、、と気分良く走りながら到着したコントロールで落とし穴が待っていた。
『隠れコントロールはここからxxxm、xxx度の角度の稜線にある。』。
げ、今さっき快調に下ってきたけど、またあの場所に戻らなきゃいけないの?そのコントロールをとって20分のボーナスポイントだけど間に合う?そんな計算と判断で結局1キロまた林道を登り返すことに。隠れコントロールの位置はわかっている。後はディスクリプションどおりに『稜線』を探すのみ。6分でアタックポイントの林道からピークの入り口に到着。しかしコントロール周辺で村越が必死に探すが見つからない。杉山もあとから一緒に探すが見つからない。歩いて後ろから進んだ田島もあまりに帰ってこないので不安になっていた。
結局見つからないまま戻ってきた。すでに20分以上が経過していた。
残りのコントロールを取りに行く。その間他チームから制限時間は1時間、事前にもらったプログラムに書いてあったよね?と言われ、そのプログラムを見て青ざめた。でもトランジットでは15時までに帰ってくればよいといっていたし。。。いずれにしても必須コントロールを取りに行かなくては。。。この時は3人とも言葉少なく、しゅんとしていてがっかりモード。かなり凹んでいたがまあ仕方あるまい。最後の尾根をガシガシ登ってコントロールにたどり着きクイズの『長野オリンピックは1998年、エーと平成10年ジャー』と元気をだしながらビュービュー走って下っていた。。
トランジットにがっかりしながら走って戻るとなんとトップゴールらしい。ええぇー、20分も余計にやっていたのに?しかもコントロール取れなかったのだよ。カードを提出する前、2冊地元ガイドブックを取り出してクイズの答えに取り掛かる。ここできちんと正解率を高めなければもったいない。
2人の優秀なはずの頭脳に任せ、その間田島はお腹すいたーとモリモリおにぎりを食べチーズを食べサラミを食べ、給水。ついでに長袖オリエンテーリングウェアに着替えた。カードを提出しいよいよ最後のMTBオリエンテーリングセクションへ。道なき道を越え、ヤブこぎが待っている。スタートするころExtream Chain、関谷さんチームのColombiaが戻ってきた。さすがだなあ。
『またMTBかー、ふぅ。お尻痛いなぁ』と田島がこぼしながらスタート。よーし、このままトップゴールするぞ!とオヤジたちは頑張る。田島は左ハンドルが上手く握れず下りで遅れがちになってしまっていた。
最後のセクションは距離は10キロもなく短いが一番厳しかった。林道から道のない斜面を担いで登る。田島は力がないため押すのみ。村越が尾根まで自分のバイクを運び、戻って田島の分まで運んだ。難しい尾根たどり、尾根下りは特に問題なく快適にナビゲーション。しかしとにかくやぶい。オリエンテーリングで言えばCヤブとD藪の中を進んでいく。うー、漆もいっぱい、かぶれそう。でも3人黙々と足場とラインを選んで集中しながらMTBを担いで進んでいた。途中はぐれそうになると『どこー』と声を掛けながら。
足をつった後、村越がバイクを運んで尾根を下る
順調に尾根を下り、少し厳しい斜面をコンタリングするところでアクシデント発生。『足つったー!!』田島が足を滑らせ踏ん張りがきかずに左ふくらはぎをつってしまった。変に踏ん張ったせいでチョウケイ靭帯まで痛みがきていた。こんな足のつり方は初めてでとにかく痛い。自分で直そうとするが伸ばしきれない。下りきって鞍部で待っていた二人だったが、村越がもう一度登り返して助けに来てくれた。いよいよ体も限界に近づいているのだろうか。
しばし休憩
その後、『こういうときこそ少し休もう。』と鞍部にて3人でしばし休憩。水を飲み、おにぎりも食べて足もマッサージして落ち着きを取り戻した。あとはこの尾根を下ってコントロールをとれば林道だよ。その言葉に励まされリスタート。途中カーブを曲がりきれず杉山が転倒。木の枝がムネにささってザックのストラップがぶっ飛び、ビブが破れたが、それだけですんだ。今思うとラッキー。村越のMTBは後ろブレーキのパーツが吹っ飛んだらしく使えない。ひたすら前ブレーキのみを効かせ慎重に下りを進んだ。
林道に乗り、道路が舗装され、民家がでてきた。『あー、俗世界に戻ってきた。。。』、そんな感じ。
無難にコントロールをチェックして、後はゴールの青木湖に向けてGO!!
舗装道路をひた走り、しかしゆるい登りもあってくたくた。でもすぐにゴールだと思うと頑張れる。ガンガン飛ばせるが車に気をつけてひたすすみ、青木湖湖畔のゴールへ3人で飛び込む。
やったー、終わったー。トップゴール。クイズの答えが気になったけれどまあいいやとお互いの健闘をたたえて充実感に満ち溢れた3人だった。ゴールは15時15分。8時30分過ぎにスタートして実に7時間弱のレース。
ゴール直後の3人
一度宿に戻ってお風呂に入った後、再び会場に顔を出し、ノースフェイススポンサーの田口さんと写真をとる。このときの3人のお揃い長袖Tシャツもノースフェイスから頂いたもの。ゴールしてから1時間あまり経っているが(16時半ごろ)、まだフィニッシュしたのは16チームと言う声が。。半分もいっていない。みんな日没までに帰ってくるかな?やや心配。
レース中、村越のバイクの後ろブレーキタイヤのパーツが吹っ飛ぶ。ゴール後どう対処しようか困っていたところ、スタッフでバイクスペシャリストの及川さんが応急処置を。。ちなみに後ろに見えるゲルフジ。9000円と安かったので杉山さんとお揃いで買ってしまった。うーむ、これでもっとトレーニングもやらなきゃ。スプリントで使えそう。
会場風景。ショップが出ていてにぎやか。さっそく杉山氏と田島はゲルフジを購入。
大会実行委員長の矢口さんと写真を。こんなに楽しいレースの提供ありがとうございます。