7/15-16に開催された日本で初めてのロゲイニング日本選手権。前回の作戦編につづいて、総合優勝した柳下・山田チームのレース編を掲載します。24時間という長丁場の中で、チームの状況をみながら臨機応変にプランを変えていく様子が見てとれます。
大会ウェブサイト:https://www.facebook.com/matsumotorogaining/
(写真・動画等は大会ウェブサイトからお借りしました。Special thanks for the Organaizer)
日本ロゲイニング選手権ーレース編ー 柳下大
いざスタート。1時間にCP2つのペースだど24時間で48CPなので、最初の数時間はそのペースに乗れるかを一つの目安にする。
[序盤の展開]
34 12:08:44
65 12:36:18
51 13:13:43
47 13:31:32
71 13:58:08
103 14:27:57
67 14:55:26
56 15:14:55
43 15:39:08
104 16:06:55
70 17:18:21
31 17:44:48
さすがに24時間だと多くのチームは普段よりゆっくり。集団の2番手で34に到着する。里山は結構藪が濃いことを確認。
65までは他1チームと絡む展開。ここはシンヤさんにペースメイクを任せるが、少し競る形になってしまい24時間のペースには早い印象。51へは出戻りで林道を行くが長く感じ尾根伝いに行ったほうが楽だったかなあ後悔気味。最初に藪の印象を受け考慮しなかったが、確認してもよかった。最後の急登で汗が吹き出しこのペースでは持たないと感じ、以降はセーブしたペースになる。美鈴湖畔に予想通り自販機があったので初回休憩とする。
背負った水はほとんど尽きていた。ペットボトル2本買い、1本はその場で飲み干す。以降、水道や自販機があったら給水しながら進むことに。相当量の水分消費だ。
31の ハッシュハウスのオープン時間は過ぎてしまったのでコンビニで休憩と考えていたが、実はハッシュハウスは三好さんカフェでまだオープンしていたので休憩を取らせていただく。ここでプランを練り直す。6時間弱で12CPは取っているが、時間1/4経過で範囲の網羅率はざっとまだ1/6程度。今後ペースが落ちることを考えられ、おそらく行けるのは40-45CP程度になる。よって101はカットで48-61とする。となれば明るいうちに61を通過し44へ向かう林道に出てしまいたい。
[ナイトナビ前半]
48 18:21:57
61 18:42:52
44 19:28:03
105 19:52:13
63 20:28:04
52 20:59:08
42 21:26:00
日が落ちても涼しさはなく、日中の身体の火照りが継続している感じで進む。
夜間のナビゲーションは大きな問題はないが、何かリフレッシュするきっかけが欲しい。そのきっかけはコンビニで休むことぐらいしか思いつかない。
コンビニへは42から下山で21:50頃に到着した。店内は涼しくイートインもあり思ったよりリフレッシュができた。
[終盤の展開]
53 05:10:02
37 05:57:11
40 06:22:08
102 07:17:02
73 08:15:47
50 08:44:17
62 08:58:51
59 09:14:57
46 09:31:17
45 09:47:38
75 10:20:25
54 10:43:46
35 11:01:08
41 11:20:55
F 11:47:42
フィニッシュする柳下・山田チームの動画
山へのアプローチは40から102とした。そこまでは53-37-40とつなぐ。40到着のリミットは残り5.5時間、つまり6:30とする。
100付近で動きの良いチームがいて自分たちは夜間走れてなかったのではと少し気が引き締まっていたこともあり、スムーズに平地を抜け6:22に40に到着し、山へGOとなる。102についた時点で73はパスしようと一旦話すが、登るペースを計算し行けると判断できたので、シンヤさんを説き伏せ往復する。46もパス候補にしていたが、下りでペースが乗ってきたのできっちり寄る。これで後半は理想的なCP取得で安全圏内に戻ってきた。
しかし下界は暑く、いよいよ自分が苦しくなる。最後はほぼ歩きでフラフラと会場に戻って長い長い24時間が終了した。
あとから地図を見直すと49-69-100は49-36-58-100でも距離はあまり変わらないのでこちらのほうが良かったと感じた。
あるいは49-36-58-53-100-37でも良いかもしれない。あとは序盤の65の代わりに60,33が取れたかどうか。
この2か所に点を伸ばす余地があったが、それでも事前想定の8割は取れたので良かった。
2位との得点差は275点で比率は112.7%。
2000点超のチームの6時間ごとの累計得点を積み上げると以下のようになる。
エリアによって得点効率は変化するので単純比較にはならないが、夜半過ぎはやはりペースも悪かったと思われ最後の6時間で逆転したことになる。
山とヤギ 742-1352-1754-2436
迪草日和 782-1317-1798-2161
イヌイ 641-1209-1725-2133
L3豆戦車 657-1259-1680-2081
ちなみに混合トップとは132.6%、女子トップとは136.1%。混合トップと男子トップが近い得点になることも多いが、男子が12位まで混合を上回っており層が厚かったといえる。今回は市街地が多く、ナビゲーションの難易度や補給のしやすさやからフィールド的には世界選手権と比べ厳しさは薄かったと感じている。
ただし、気候的に暑い時期だったので体力的な厳しさはかなりのもので、レースの組み立ての難しさは単純に走力で押し切れる5-6時間の街ロゲイニングとは全く異なっていたと思う。
トータルで考えれば、チャンピオンを決めるのに十分な舞台だったと感じている。
(個人的には暑さは苦手なので、もう少し高所か涼しい時期だったらうれしいなあ。もちろんナビゲーションの難易度が上がるのも望むところ)