ロゲイニング(スコア)とポイントオリエンテーリング(ストレート)の魅力 柳下大

OMM JAPAN2017 ストレートA2日目スタートする柳下と市岡。この日もトップにたち優勝、3連覇を飾った。
OMM JAPAN2017 ストレートA2日目スタートする柳下と市岡。この日もトップにたち優勝、3連覇を飾った。

 

近年ナビゲーションスポーツとしてロゲイニングやマウンテンマラソン(オリエンテーリング)が盛んになってきている。

どちらのカテゴリーでも強い、”帝王"とも呼ばれる柳下に、OMMを例にしてそれぞれの魅力を語ってもらった。


ロゲイニング(スコア)とポイントオリエンテーリング(ストレート)の魅力 柳下大

 

OMMにはスコアとストレートの2種類の競技形式がありますが、今回は私の視点からそれぞれの魅力について書きます。

 

2017年ロゲイニング日本選手権よりスタート直後(オフィシャルサイトより)
2017年ロゲイニング日本選手権よりスタート直後(オフィシャルサイトより)

■スコア

CPごとの得点が設定されており、制限時間内で獲得した得点を競うロゲイニング形式です。カテゴリはロング、ミディアム(昨年まではショート)で、制限時間が異なります。

 

[特色・魅力]

時間内の全てのCP獲得は不可能な設定になっており、体力・技術に応じてCPを選択します。

CPはストレートとほぼ共通のため、ナビゲーションの難易度が低いということはありませんが、道周辺などのCPを選択すれば結果的に易しくなります。また、失格や棄権以外は順位がつきます。

以上の点から、幅広い参加者層に対応できる競技形式だといえるでしょう。

ロゲイニング同様に得点を伸ばすためには効率的に回る作戦も重要になりますが、一般的なロゲイニング比較すると以下の点が異なります。

 

1.スタート前の作戦タイムがない

2.全チーム一斉スタートではなく、数チームごとのタイムスタート

3.スタート、フィニッシュが異なるワンウェイコースであること

4.背負う荷物が大きく、移動速度は低下する

私自身はロゲイニング形式で4の経験がないので、もし出場することがあるならばこの点を特に意識することが必要だなと感じています。

 

 

OMM JAPAN2017 オフィシャルサイト写真より 柳下と市岡
OMM JAPAN2017 オフィシャルサイト写真より 柳下と市岡

■ストレート

オリエンテーリング形式。回る順番が決まっていて、タイムを競います。カテゴリはABCで、コース距離・難易度が異なります。

もちろん道から離れたCPもあるため、完走には一定以上のオフトレイルナビゲーション技術(地形読み、コンパスワークなど)が必要になります。

 

[特色・魅力]

私は毎年ストレートに出走しています。よく聞かれることなので、私がストレートを選ぶ理由を挙げたいと思います。

 

1.自分の体力と技術を最も発揮できるタイムレースだから

2.コースディレクターの作品とも言えるコース設定やナビゲーション課題に挑むことができる

3.レース後に他のチームとのルート比較する楽しみがある

 

1についてですが、他のタイムレース(オリエンテーリングやトレイルランニング)では私は好走しても入賞までが多いですが、OMMなら両方の経験が生かせて勝ちが狙えるレースです。スコア形式はロゲイニングがあるので、OMMではタイムレースを選びたいということです。

2、3はスコアでも全くないわけではありませんが、ストレートのほうがより明確だと思います。実際に毎年レース後にルート検討で盛り上がっています。

 

■スコアが人気?

毎年参加者が増加しているOMMですが、特にスコアが人気を集める傾向が出てきています。私なりにその要因を分析してみると、背景にロゲイニングとオリエンテーリングの競技性の違いがあると感じています。

 

ロゲイニングはチーム戦で競技時間が長く、フォトロゲイニングの普及もあり間口が広くなっています。いっぽうオリエンテーリングはソロ競技で専門性が高く、競技時間も短いです。

 

OMMがペア競技かつ時間もロゲイニングに近いことから、スコアが人気を集めるのは当然の流れかもしれません。

ただ、カテゴリに関わらず、よりチャレンジングなナビゲーションに取り組んでいきたいと考える人も少なくないと思われます。

 

先日長野で開催されたAdventure Race Japanのトレッキング区間が地形図を用いた難易度も高いナビゲーションで、あれをやりたいと思った方も多かったのではないでしょうか。(余談ですが、私はライブトラッキングが凄く面白かったです)

 

 

ストレートとスコアどちらがよりチャレンジングかというと一概には言えないですが、それぞれに魅力を感じた参加者がちょうど半分づつぐらいになり、それぞれにスキルアップを図っていければ、OMMのようなロングカテゴリのナビゲーションも成熟してきたと言えるのではないかと感じます。


 

それぞれのカテゴリーにはそれぞれの特色や魅力がある。同じナビゲーションスポーツとして他カテゴリーにチャレンジしてみると、また違うナビゲーションの面白さが味わえるのではないだろうか。今後予定されているイベント、またメンバーが携わるイベントは下記の通り。

 

9/8-9 朝霧マウンテンオリエンテーリング (キャンプ一式を背負いながらナビゲーションする2日間のポイントO(ストレート)方式

田島がコース設定を担当

http://asagiri.camping.or.jp/diary/pg153.html

 

11/10-11 OMM JAPAN2018 奥三河(キャンプ一式を背負いながらナビゲーションする2日間のポイントO(ストレート)とスコア(ロゲイニング方式 小泉がコース設定を担当

http://theomm.jp/?page_id=1063


11/ 朝霧ロゲイニング 5時間 村越、小泉がポイント設定


2019/1 有度山ロゲイニング 3/5時間 村越がポイント設定

 

2019/2/24 (仮)高麗郷オリエンテーリング

TEAM阿闍梨が主催する1日のロングオリエンテーリング(ストレート)

 

2019年3月(予定) 奥武蔵マウンテンオリエンテーリング2019(OMO2019)

TEAM阿闍梨が主催する1日のロングポイントオリエンテーリング(ストレート) 柳下がコース設定を担当