サポートアスリート稲毛日菜子選手の活動報告

TEAM阿闍梨では世界の舞台で活躍するオリエンテーリングアスリートをバックアップしています。多くのメンバーが日本代表選手として世界で戦い、その環境が厳しかったことを経験しているからこそ、若い選手を応援したい、そんな願いがあります。多くは活動資金を賛助することですが、それはイベントの収益からまかなっています。つまり、TEAM阿闍梨のイベントに参加していただいている方々からの参加費の一部が、彼女の活動資金になっています。よって参加してくださっているみなさんは稲毛選手のサポーターでもあるのです!!

 

そんな稲毛選手から活動報告が届いています。


ご挨拶  稲毛日菜子


いつも温かい応援とご支援ありがとうございます。
12
月上旬に茨城で行われた全日本リレーをもって、本年全てのレースが終了しました。今シーズンは4月から途切れることなく重要な大会が続き、緊張感やレースのモチベーション維持が大変な程でした。それぞれの大会を通して得た経験はじっくり分析し、今後の更なる成長に活かしたいと思います。

 

活動報告
オリエンテーリング全日本選手権
ミドルディスタンス 台風により中止
ロングディスタンス 女子選手権クラス4
スプリント 女子選手権クラス優勝
リレー 女子選手権クラス3位

 

 

秋から冬に行われた全日本は、特に4連覇がかかっているロングを筆頭に優勝を目指して臨みましたが、悔しい結果となりましました。練習機会が少なく、走力の成長に技術が追い付いていないことが大きな要因だと反省しました。両面をバランス良く鍛えないと逆に退化してしまう、オリエンテーリングの面白く難しいところでもあります。

 

ワールドカップFinal

ミドル WE63
スプリントリレー 30位(leg1

ヨーロッパばかりで開催されるワールドカップが珍しく中国開催になった絶好の機会、途中帰国の弾丸スケジュールでしたが修行として参加しました。スプリントリレーでは1走を走り、普段の130%のスピードで周りの選手をうまく利用しながらレースを進めることができました。トップ+2分以内という目標を達成できただけでなく、コントロール周りでTove(世界チャンピオン)とすれ違う距離感やヨーロッパ諸国と競えたことは自信にもなり、目指したいレベルを確認できたとても良い経験になりました。


また、この大会の直前に行われた国際大会において、開催国中国が組織的に不正を行ったことが発覚。ワールドカップも運営者や選手含め多くの関係者が複雑な心境で大会を振り返ることになってしまい、オリエンテーリングのルールや公平性の曖昧さや、1人のアスリートとしてどうスポーツと向き合うかを改めて考えるきっかけとなりました。

 

 

スカイランニング
バーティカルシリーズ年間ランキング 6

 

多くの大会がオリエンテーリングと被り参加数は減ってしまいましたが、今シーズンもバーティカル(駆け登り)種目を中心にシリーズ戦に出場しました。秋シーズンは紅葉真っ盛りの烏帽子大会、快晴絶景のびわ湖バレイのエリートクラスに参加し入賞ラインでさまよう順位が続きました。背中を追いかけたり追いかけられたりする接戦を楽しみながら来年はもっと上位で勝負したいと思います。

 

アドベンチャーレース
ARJS
長州大会 優勝

オリエンテーリングを主軸として活動しながらも、その他のナビゲーションスポーツや山岳スポーツの世界も広げていきたいと思い、アドベンチャーレースに挑戦しました。台風接近にも関わらず大会を開催する運営者と、荒れる天気の中喜んでスタートするレーサー達、皆強者揃いの世界でした。大自然の中を様々な手段で冒険していくスケールの大きさ、夜中のセクションでも容赦なく山中にポイントを置くコースの大胆さ、経年変化も気にしない地図を使うおおらかさなど驚くことばかりでしたが、チームで予想もつかない困難を乗り越えていく行程は全てが新鮮で、新たな素晴らしいスポーツに出会えました。

 

 

 

 

次の目標に向けて
1
年間を振り返ると、オリエンテーリングにおいてはノルウェー世界選手権、中国ワールドカップ、複数回のワールドランキングイベント、全日本選手権等の大会遠征に加え、スカイランニング、ロゲイニング、アドベンチャーレースにも参加し、冒頭で述べたようにとても長いシーズンでした。マインドコントロールや集中力の強化、限界を越えて肉体を追い込む経験など真剣勝負を重ねたからこそ得られた部分もある一方、練習に没頭する期間が少なかったことで成長が停滞してしまった面もありました。


次の目標は、2021年チェコで行われる世界選手権のロングディスタンスで日本人最高の走りをすることです。そのため来年は、アジア選手権や全日本選手権がありつつも、トレーニング中心に目標に向けた準備をしていきたいと思います。まずはこの冬からじっくり、しっかり自分のオリエンテーリングを見直し、時間をかけて強く磨き上げていきます。今後も私の挑戦を見守り、応援いただけると幸いです。