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オーセンティック白黒の試走レポート~東京湧水めぐり60~

白子宿に残る旧家「佐和屋」
白子宿に残る旧家「佐和屋」

 湧水めぐりの企画の一般向けにコース第一弾として選ばれたのがこの白子川・黒目川流域だ。荒川による河岸段丘崖に沿った多くの湧水があったことはもちろんだが、古地図ナヴィゲーションにふさわしい比高の低い微地形に恵まれた場所だ。

 ポイント設定を始めると、古地図による湧水巡りのために神が用意給いしと思われる地勢に恵まれた場所であった。最初のポイントのある白子宿は、地元和光市も「湧き水の町」「自然と歴史の交差点」と、そのPRに力を入れている。あまりに魅力的だったので、自粛でツアーもできなくなった日々も、このコースをいつか巡る日が来るのだと思うと乗り切れそうだった。

 

 移動自粛解除された平日に振休を使って訪れた。1番CPでは、そのうちどれかを落とすのも残念に思われ、「大坂ふれあいの森」「富澤湧水」「熊野神社」の3つを選んだ。いずれも、白子川の河岸段丘崖に沸く現役の湧水として整備されている。これらだけでも半日のんびりしていたいほどだ。コースの復路には同じ段丘崖の「市場峡(いちばはけ)」公園がある。北条氏の楽市に由来する「市場」、段丘の古名である「ハケ」、しかも漢字が峡谷の「峡」だ。一体、どこの地名だ!さらにはたかだか100平米もない児童公園ながら現役の湧水!どこをとっても隙がない。

 

 本コース最難関は、CP2だ。迅速測図の等高線がいい加減なのと、東武東上線が開通してしまったせいで、コントロールの500mも手前でぐるぐる。そこで、元理系学生としては、サプライズな名所にも遭遇。「元素が発見された」と明確に言える場所など、世界広しと言えども10箇所もないのではないだろうか?ポイントの北側にある越戸川と外環を活用してアプローチしないと厳しい。新倉民家園の方にある古道から民家の敷地のようにも見えるところを通過してアプローチすることもできる。湧水を護る青面金剛像は、庚申信仰の主たる対象だが、疫病退散の仏でもあるそうだ。その姿に湧水の歴史が凝集されている。

 

 CP7の東圓寺は河岸段丘沿いで難なく到達できそうだが、東圓寺自体は段丘の上にあり、不動の滝がある段丘の下からはアプローチできないので、注意が必要。またCP9の岡緑地は駐車場の奥にあるが、特に看板などはなく、柵もあるため、立ち入ることはできない。斜面緑地の一番東側に池らしい窪みを遠目に見ることができる。(村越)

 

 

白子宿の4湧水。左から、大坂ふれあいの森、富澤湧水、熊野神社の湧水、市場峡公園


 

 

サプライズの「ニホニウム発見」の碑。和光は湧水以外にも理化学研究所がある!