サポートアスリート稲毛日菜子選手の活動報告2020

TEAM阿闍梨では世界の舞台で活躍するオリエンテーリングアスリートをバックアップしています。多くのメンバーが日本代表選手として世界で戦い、その環境が厳しかったことを経験しているからこそ、若い選手を応援したい、そんな願いがあります。多くは活動資金を賛助することですが、それはイベントの収益からまかなっています。つまり、TEAM阿闍梨のイベントに参加していただいている方々からの参加費の一部が、彼女の活動資金になっています。よって参加してくださっているみなさんは稲毛選手のサポーターでもあるのです!!

 

そんな稲毛選手から活動報告が届いています。


ご挨拶  稲毛日菜子

 

皆様こんにちは。いつも応援いただきありがとうございます。

今年はコロナの影響により大会はじめ様々な活動が制限されてしまいました。

優勝を目指していたアジア選手権含め相次ぐ中止連絡に落ち込む日々もありましたが、いつもと違うシーズンを受け入れ、黙々とトレーニングに励み鍛える期間となりました。

また、改めて大会に出走できることの有難さを痛感し、大会の運営者、それを盛り上げる参加者、受け入れてくださる地元など、関わる全ての方々への感謝への気持ちをより一層大切にしていきたいと感じました。

 

 

■大会報告

11月に重要大会が連続し、短く濃密なシーズンとなりました。開催された全日本大会は、全ての種目において優勝という結果を残すことができました。特にロングは、長年目標としていた選手と接戦になり、終盤の追い込みで勝負を制する思い出深いレースとなりました。

 

2017年以来の全種目制覇へあとひとつなので、2月に開催予定のスプリントは全日本ミドルで課題となった重要レースに対する精神面のコントロールを改善し臨みたいと思います。また、貴重なワールドランキング対象イベントでポイントを積み、フォレスト部門のランキングは自己最高の世界86位となっています(2020年12月現在)。

その他とりけもロゲイニング、EBOSHIスカイラン、奥多摩アドベンチャーレース等、山岳・ナビゲーションスポーツにも引き続き参戦し、各界の猛者達からたくさんの刺激を受けました。

 

オリエンテーリング全日本選手権

スプリント コロナにより中止(2021年2月に別テレインにて開催)

ミドルディスタンス 女子選手権クラス優勝

ロングディスタンス 女子選手権クラス優勝

リレー 女子選手権クラス優勝

 

■トレーニングについて

今年のトレーニング記録をざっくり振り返ります。

春から夏にかけては大会へのピーキングが不要だったので、トレーニングの量と時間を増やし長期間かけて身体を強くすることに重きを置きました。在宅勤務が導入され通勤時間が削減できたことをきっかけに、3-10月の月間トレーニング平均時間は、純トレーニング30、補助的な筋トレやエクササイズ10、地図読みや大会研究10と、前年に比べ各月10時間程増やしました。メインのランニングにおいては月間200~280km、割合的にはjogが多くなりましたが、毎週のメニューに坂ダッシュ(400m↑38m×5)やインターバル走(主に400m×10)を入れてスピード強化にも同時に取り組みました。

 

今まで距離を積もうとするとどこかしら故障し200㎞に壁を感じていました。トレ時間を増やすのと同じくらいトレ前後のストレッチや夜のマッサージに丁寧に時間をかけ、とにかく自分の身体を触り把握すること、また脚だけでなく腕や腹筋も強化し全身を使えるようにすることでこの問題を克服できたと思います。それでも8月に足底筋膜炎、9月に捻挫をし治療に費やす時期もありましたが、走れない日は室内バイクインターバルで心肺とパワー、自宅フィットネスで持久力のトレをしていました。

 

苦手な卓上トレはSNSで関連アカウントをフォローすることにより、携帯を開けば毎日地図を見られる環境をつくりました(instaglamはハッシュタグもフォローできるので#orienteeringがおすすめ)。フランスコーチのトレ日記で目指すレベルを再確認したり、スイスチームのトレキャン報告をWOCのテレイン研究に利用したりなど、常に新鮮で刺激的な情報を取り込み続けています。

 

■次の目標に向けて

昨年から2年計画で目指しているWOC(オリエンテーリング世界選手権)2021のロングディスタンス。開催は未だ不透明ですが、開催地チェコは実施の方向で準備を進めているので、私も参加できることを信じて突き進むのみです。

WOCへの大きな目標だけでなく、応援し期待してくれる方々の存在も強い支えとなり、このような状況下でもモチベーションを保ち活動することができました。来年はトレーニングの成果を発揮し、皆の予想を超えるような走りをみせたいと思います。