サポートアスリート稲毛日菜子選手の2022年度の報告

 

2022シーズンを終えて 稲毛日菜子

 

■ご挨拶 

いつも温かい応援と変わらぬご支援、ありがとうございます。

オリエンテーリング界でも約3年ぶりに国内外の主要大会がフルで開催され、選手活動にも活気と刺激が戻るとともに充実した2022シーズンとなりました。

 

個人としては昨年冬に発症したアキレス腱炎が長引き、スプリントの世界選手権は代表選考会を辞退せざるをえず苦しい時期もありましたが、夏には2回のヨーロッパ遠征を行い、そのなかで精神的にも技術面でも成長を実感することができました。秋以降の大会シーズンでは良い結果も悔しい内容もありつつ、来期へ繋がる走りだったと感じています。

また、JOA主催のオンライン企画やナビゲーションレースに参加した際のレース振返りで何度かお話しできる機会があり、各地の大会会場でお声がけをいただく場面が増えました。そんな温かい応援の言葉が、足が止まりそうになった時に諦めず次の一歩を出す力になっています。

 

現在目指している2023年のWOC(世界選手権)は7月上旬にスイスにて開催されます。選手として成熟してきた実感もあるので、今年こそ目標を越える走りで日本の皆さんに感動を届けられるよう、引き続き精進してまいります。今後も応援よろしくお願いします!


■活動報告

<全日本選手権>10/10-11 2/4-5 

ミドルディスタンス 女子選手権クラス 準優勝

ロングディスタンス、スプリント、リレー 女子選手権クラス 優勝

 

 

2年連続4冠はなりませんでしたが、ロングとスプリント(15回の歴史の中で史上初)で3連覇を達成しました。特にロングは、個人の重要大会で恐らくインカレぶりに優勝想定タイムを破って優勝することができ嬉しく思います。一方ミドルは国際レースにも匹敵する難易度と面白いコースでしたが、実力不足で終始ただ走り回るだけで終わってしまい不甲斐ない限りでした。

 

年々コースの魅力も大会の規模も成長している全日本の舞台で闘える幸せを噛みしめ、下からの突き上げに負けぬよう来年の真剣勝負も今から楽しみです。

<IOF Camp@スウェーデン>8/24-28

 

IOF初の試みである、発展途上の各国選手を集めた国際強化合宿に参加させていただきました。強豪国スウェーデンが過去に行ったナショナルチーム合宿のプログラムで量もレベルもハードな内容でしたが、伸び盛りの選手と競い励まし合いながら毎日成長が感じる実りの多い数日間でした。

 

幸運なことに長年憧れているKarolin Ohlsson選手(当時世界ランク5位)がコーチとして参加しており、直々に指導を受けることができたうえに一緒に走る中で理想のオリエンテーリングを経験したことは一生の思い出になりました。コーチングや合宿のノウハウなどは、帰国後の活動にも大いに活用しています。

<World Cup Final@スイス>10/1-3

ワールドランキングポイントの獲得(近年はランキングが本番のスタート順に影響したり、国の選手枠が増えたりととても重要な指標になっています)と世界選手権対策の一環として、ワールドカップの最終戦に参加しました。個人の2レースとリレーではメンバーの都合上男子クラスに出走し、タフな3連戦でした。日本からの参加は私のみだったこと、世界一物価が高い国なうえに円安だったこと、標高2000m前後の高地ダボスで滞在中ほとんどが雪か雨だったことなど厳しい条件の中で、移動や生活面では過去一過酷な遠征となりました。

 

それでも、国際レースで現状と目指すレベル感を肌で感じる機会はとても価値があり、テレインの特徴や鍛えるべき課題も得ることができました。終盤には気候も回復し、絶景に囲まれてオリエンテーリングができる日々は夢のようで、WOC本番にまたスイスへ飛ぶのがとても楽しみです。

 


<その他レース結果>

9/3-4 朝霧マウンテンオリエンテーリング 総合2位 (混合1位)

11/12-13 OMM2022 ストレートA 総合1位

12/4 奥武蔵マウンテンオリエンテーリング レギュラー1位

3/5 ハーフマラソン@昭和記念公園 女性2位 86‘29“

怪我から復帰に時間を要したこともあり他種競技への参加機会は少なくなりましたが、秋冬はいくつかのナビゲーションレースに参戦し、同じナビゲーション界でもよりタフ且つ多彩な楽しみ方を満喫しました。

 

 

冬の鍛錬期は原点に立ち返り純粋な走力強化に取り組み、その効果測定としてハーフマラソンを走りました。初めてのロードレースでしたがひとつの指標となるタイムは残せたと感じています。

 



■WOC2023に向けて

選考会に先駆けて、ワールドランキングがアジア最上位(2023年1月時点186位)の実績も含め代表内定をいただき、7度目の挑戦が決まりました。前回の2021年WOCロングで3度目の48位という結果で終わった後は自分の力はここまでかと限界を感じ、もう一度世界で闘う覚悟を決めるまで長く足踏みしてしまいました。そんな中、IOF合宿で自身も驚く成長ともっと速くなりたい気持ちを見つけ、周りからもまだ期待し応援してくださる言葉をいただき、挑戦を続ける選択をしました。この冬は継続的にトレーニングを積み前進できていると感じています。

 

 

ロングで30位台、ミドルで自力の決勝進出を目指します。皆さんに感動を届けられる走りと結果をお見せできるよう引き続き精進してまいりまので、応援よろしくお願いします。